01仕様書は責任を切り分ける資料
仕様書は工場に説明するための書類というより、後から「指示どおりか」を判定するための資料です。数値と許容差が入っていない仕様書は判定に使えません。書式は自由で、表計算ソフト1枚でも機能します。
026ブロックで構成する
| ブロック | 書く内容 |
|---|---|
| 1. 概要 | 製品名、用途、数量、希望納期、版数と日付 |
| 2. 寸法 | 測定箇所を図で示し、各寸法に許容差(±)を付ける |
| 3. 材料 | 素材名、混率、厚み、品番。代替可否も明記 |
| 4. 加工・仕上げ | 縫製仕様、プリント方式と位置、表面処理 |
| 5. 表示・梱包 | タグ、ロゴ位置、品質表示、個包装と外装 |
| 6. 検査基準 | 検品方法、抜取り数、許容不良率、限度見本 |
03曖昧な表現を数値に置き換える
| 避ける表現 | 書き換え例 |
|---|---|
| しっかりした生地 | 綿100%・16番手・度詰め天竺・目付200g/㎡前後 |
| ロゴは大きめに | 幅120mm・前中心・襟下80mmの位置 |
| きれいに縫製 | 縫い代1cm・ステッチ間隔3mm・糸番手60/3 |
| 少しゆったり | 身幅を実寸56cm(±1cm) |
| 自然な白 | PANTONE 11-0601 TCX 相当。色見本を送付 |
04許容差の決め方
許容差は厳しすぎれば単価が上がり、緩すぎれば不良の判定ができません。
- 重要な寸法(着丈・身幅など見た目に出る箇所)は ±1cm 程度
- 副次的な寸法は ±1.5〜2cm でも実用に耐える
- 樹脂・金属加工は用途から必要精度を逆算する(嵌合部だけ厳しくする)
- 色は色番+実物見本+「許容する差の範囲」を言葉で補足する
05図と写真の使い方
文章より図のほうが誤解が少ないため、次の3点は画像で添えます。
- 寸法図(測定箇所に番号を振り、表と対応させる)
- ロゴ・プリントの配置図(基準点からの距離を明記)
- 参考現物の写真(近い既製品の該当箇所を拡大)
06改訂の管理
チャットで合意した変更も、必ず仕様書へ書き戻して版数を上げ、変更履歴を1行残します。工場が持っている版数を確認してから量産に入ります。反映されていないと、量産品がどちらの指示に従ったのか判断できなくなります。
検査基準の詳細はOEMの検品とは?、トラブルの防ぎ方はOEMでよくあるトラブル10選で扱っています。
FAQよくある質問
仕様書に決まった書式はありますか?
業界標準はありません。寸法・材料・加工・表示・梱包・検査基準が数値で書かれていれば機能します。
工場が仕様書を作ってくれることはありますか?
サンプル後に工場がまとめる場合があります。その場合も内容を確認し、発注側の承認記録を残してください。
仕様書と見積もりはどちらが先ですか?
概算見積もりは仕様書なしでも取れます。正式見積もりと量産の前には必要です。
英語や中国語に翻訳すべきですか?
海外に発注する場合は、数値と図を中心にした資料にし、重要項目だけ翻訳を付けるのが現実的です。