目次13
01トラブルは3つの時点で仕込まれる
OEMの問題は納品時に突然起きるのではなく、条件を決めなかった時点で発生が決まります。以下の10件は、いずれも発注前・サンプル時・量産前のどこかで防げるものです。
021. 色が指示と違う
「白」「ネイビー」といった言葉だけで進めると、材料のロット差も含めて必ずずれます。色番(PANTONE、DICなど)で指定し、実物の色見本を渡します。量産では反ごとの差が出るため、許容範囲を先に決めておきます。
032. 寸法が合わない
サイズ表に許容差(±1cmなど)が入っていないと、測る場所も基準も工場任せになります。測定箇所を図で示し、各寸法に許容差を書くだけで大半は防げます。
043. 素材が別物にすり替わる
材料の欠品時、同等品への変更が工場側の判断で行われることがあります。素材は品番まで指定し、「代替材料の使用は事前承認が必要」と書面に入れておきます。
054. 納期が遅れる
遅延の原因は材料待ちと承認待ちが大半です。工程ごとの締切を決め、遅れが出た時点で連絡する運用にしておきます。工程別の日数はOEMの納期はどのくらい?。
065. 数量が足りない・多い
業界によっては生産数の±数%を許容する慣習があります(過不足納品)。許容するかどうか、不足分をどう精算するかを発注時に決めます。
076. 見積もり後に追加請求が来る
「単価に含まれる範囲」が曖昧なときに起きます。検品・梱包・送料・型代の扱いを見積書の段階で確定させます。確認項目はOEMの見積もりで確認するべき項目。
087. 不良品の割合が高い
検査基準がないと、良品の定義が工場基準になります。限度見本(ここまでは許容、ここからは不良)を用意し、抜取り数と判定基準を決めておきます。OEMの検品とは?を参照してください。
098. 連絡が途絶える
担当者が1人しかいない場合に起こりがちです。窓口を2名にしてもらう、返信が3営業日ないときの連絡手段を決めておく、といった運用で回避します。やりとりが電話や複数のアプリに分散すると、合意内容の確認そのものが難しくなります。
109. 金型や型紙を返してもらえない
費用を負担しても、所有権が明記されていなければ工場保管のままになります。「発注側の所有」「保管期間」「返却条件」を契約に入れます。OEM契約で確認すること。
1110. 同じ商品が他社から出る
デザインを渡した工場が、類似品を別ブランドへ供給するケースです。秘密保持契約と類似品の製造・販売の制限を条項に入れ、デザインの権利帰属も明記します。
12発注前チェックリスト
- 仕様書に寸法・材料・加工・許容差が数値で入っている
- 色は色番と実物見本の両方で指定した
- 量産確認サンプルの承認を工程に入れた
- 検査基準と限度見本を共有した
- 不良・遅延・過不足納品の対応を書面にした
- 金型・型紙・データの所有権を決めた
FAQよくある質問
トラブルが起きたとき、まず何をすべきですか?
現物の写真、数量、発生率を記録し、指示との差分を文章で整理します。原因の切り分けが済む前に金額交渉に入ると長引きます。
チャットでの合意は有効ですか?
内容が特定できれば意味を持ちます。ただし条件変更は都度テキストで残し、最終版を1か所に集約しておくのが安全です。
少額の取引でも契約書は必要ですか?
契約書の形式でなくても、発注書に品質基準・納期・不良時の対応を書いておけば機能します。