06海外OEM更新 2026-09-04読了 約7

中国OEMの始め方中国工場へ発注するときの注意点

中国OEMで多いのは、指定と違う物が届いても作り直しも返金もされないまま終わることです。原因は品質管理ではなく、代金を先に渡す支払い条件にあります。

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目次10
  1. 01中国OEMで最も多いトラブルは「作り直しも返金もされない」こと
  2. 02実際に起きているトラブル
  3. 03なぜ泣き寝入りになるのか
  4. 04工場と商社(貿易会社)の違い
  5. 05見積もり条件(貿易条件)を揃える
  6. 06支払いとやりとり
  7. 07検品は工程に入れる
  8. 08輸入時に発生する費用と規制
  9. 09納期の考え方
  10. Q&Aよくある質問

01中国OEMで最も多いトラブルは「作り直しも返金もされない」こと

結論から書きます。中国OEMで実際に起きるトラブルの多くは、単価や納期ではなく、指定した寸法・素材と違う物が届いたのに、作り直しも返金もされないまま終わることです。誰が見ても工場側のミスでも、代金を先に全額送っているなら、こちらに残る手段はほとんどありません。値引きの提案でうやむやになるか、返信が止まるかのどちらかで、泣き寝入りになる例が多くあります。

中国の工場は単価が低く、対応できる品目も広い。その利益を消すのが、輸送・検品・支払い・通関という「単価の外側」と、トラブルが起きたときの回収の難しさです。どちらも発注前に条件として決められます。

02実際に起きているトラブル

起きること工場側の説明多い結末
指定寸法と違う物が全数で届く「許容範囲内」「図面の解釈が違う」作り直しを断られ、値引きの提案だけで終わる
生地・パーツが別の材料にすり替わる「同等品を使った」差額は返金されず、そのまま売るか廃棄する
色が承認サンプルと合わない「ロット差」受け入れるか、全量を捨てるかの二択
数量が足りない「不良を抜いた」不足分の再生産費と送料は発注側の負担
納期が繰り返し延びる「材料待ち」販売時期を逃す。前払い分は戻らない
出荷後に連絡が取れなくなる担当者の退職、社名変更回収は事実上できない

03なぜ泣き寝入りになるのか

  • 代金を先に渡している:T/Tの前払い30%+出荷前70%が慣習で、残金を払った時点で交渉材料がなくなる
  • 判定の基準がない:許容差・限度見本・検査基準書が書面にないと、「仕様どおりに作った」と主張されて覆せない
  • 出荷前検品を条件にしていない:日本で開梱してから発覚すると、返送の運賃だけで利益が消える
  • 契約書がない、または紛争解決地が相手国:少額の国際訴訟は費用と時間が回収額を上回る
  • 記録が散っている:チャットとメールに分散した合意は、後から証拠として使える形に整えられない

04工場と商社(貿易会社)の違い

工場に直接商社・貿易会社経由
単価低い手数料が乗る
対応範囲自社でできる工程のみ複数工程をまとめて手配
輸出手続き工場に輸出権が必要任せられる
向いている場面品目が単一で数量が多い複数部材・初回・少量

取扱品目が極端に広い場合、商社である可能性があります。悪いことではありませんが、実際に作る工場がどこか、検品を誰が行うかは確認しておきます。

05見積もり条件(貿易条件)を揃える

海外の見積もりは、どこまでの費用を含むかを示す条件つきで出てきます。条件が違えば単価は比較できません。

条件含まれる範囲
EXW(工場渡し)工場での引き渡しまで。以降はすべて発注側の手配
FOB(本船渡し)輸出港での積み込みまで。海上運賃以降は発注側
CIF(運賃保険料込み)輸入港までの運賃と保険を含む。通関・関税は発注側
DDP(関税込み持ち込み)指定場所への搬入まで。手間は少ないが割高になりやすい

初回はCIFやDDPで手間を抑え、数量が増えたらFOBに切り替える、という進め方が取られます。

06支払いとやりとり

  • T/T(電信送金)で前払30%+出荷前70%が一般的な形
  • 全額前払いを求められた場合は、金額と工場の実在確認を慎重に行う
  • 送金先名義が工場名と一致するかを確認する
  • 外貨建てならレートの前提と有効期限を確認する

言語は英語または翻訳を介するのが一般的です。文章で伝わらない前提に立ち、寸法図・写真・数値で示す資料を用意します。「OK」という返答だけで進めず、こちらの理解を書き戻して確認します。

07検品は工程に入れる

距離があるぶん、出荷後に問題が分かると対処に時間がかかります。出荷前検品を条件にし、合格後に残金を支払う形が安全側の設計です。限度見本と検査基準書を事前に共有し、抜取り数と許容不良率を決めておきます。基準の作り方はOEMの検品とは?

  • 出荷前検品の合格を、残金支払いの条件にする
  • 限度見本と検査基準書(抜取り数・許容不良率)を発注前に共有する
  • 寸法は図と数値+許容差(±)で示し、口頭やチャットだけで決めない
  • 代金を全額前払いにしない。受け取り確認後に残る部分を作る
  • 合意と変更は同じ場所に記録し、時系列で追える状態にする

08輸入時に発生する費用と規制

  • 海上・航空運賃と保険料
  • 関税・消費税(品目のHSコードで税率が決まる)
  • 通関手数料、国内配送費、倉庫保管料
  • 品目ごとの規制:食品衛生法(食品・食器)、電気用品安全法(PSE)、電波法(技適)、化粧品・医薬品の許可、繊維の品質表示など

09納期の考え方

量産の日数に加えて、海上輸送(中国主要港から日本まで約1〜2週間)、通関、国内配送を足します。旧正月(春節)前後は2〜4週間ほど工場が止まるため、年始の納品は特に前倒しが必要です。国内との比較は国内OEMと海外OEMはどっち?、工程別の日数はOEMの納期はどのくらい?

FAQよくある質問

明らかに工場のミスでも、作り直しや返金に応じてもらえないのはなぜですか?

代金の支払いが先に終わっているためです。加えて、許容差や限度見本が書面になければ「仕様どおりに作った」という主張を覆せません。判定基準と支払い条件の両方を発注前に決めておくことが予防策になります。

返金されないとき、日本から法的手段は取れますか?

契約書があれば可能ですが、少額の案件では弁護士費用と時間が回収額を上回ります。実務では出荷前検品と支払い条件で予防します。

トラブルを避けるにはどこで工場を探すのが安全ですか?

受け取り確認まで支払いが保全される仕組みのある取引を選んでください。Fuji Upでは代金をFuji Upが預かり、届いた物を確認して受領を承認した後に工場へ送金します。仕様と違う場合は支払いを止めたまま作り直しか返金を申請できます。

最初はどのくらいの数量で試すべきですか?

サンプル数点で品質と対応を確認し、次に少量の量産を1回通します。初回から大量に発注すると、問題が出たときの損失が大きくなります。

中国OEMは中国語ができないと無理ですか?

英語や翻訳を介した取引が一般的です。ただし仕様は図と数値で示し、言語に依存しない資料を用意してください。

単価が国内の半分なら総額も半分になりますか?

なりません。輸送・検品・通関・関税を加えると差は縮みます。数量が少ないほど差は小さくなります。