目次8
01OEMの費用は5つに分かれる
OEMの支払い総額は「単価×数量」だけではありません。次の5区分に分けると、見積もりの比較も、想定より高くなった原因の特定も簡単になります。
| 区分 | 内容 | 支払うタイミング |
|---|---|---|
| 製造費(単価) | 材料・加工・検品・梱包など1個あたりの費用 | 量産の発注時 |
| サンプル代 | 試作の製作費と送料。修正のたびに発生 | サンプル依頼時 |
| 初期費用 | 金型・版・パターン・データ作成費 | 初回のみ |
| 副資材費 | タグ・箱・袋・ボタンなど。最小ロットが別に設定される | 手配時 |
| 物流・検品費 | 送料、海外なら輸送費・関税・通関費、第三者検査費 | 出荷時または納品後 |
02製造費(単価)の中身
工場の単価には材料費のほかに人件費と管理費が乗っています。内訳を分けると、どこを削れば安くなるのかが分かります。
- 材料費:生地・樹脂・金属など。相場と最低購入量に左右される
- 加工費:縫製・成形・組立。工程数がそのまま増減する
- 副資材費:タグ・ボタン・箱・袋。点数が多いほど積み上がる
- 検品・梱包費:全数検品か抜取りかで差が出る
- 段取り費:機械や版の切り替え。数量で割るため小ロットで単価に響く
単価を下げる方法は値引き交渉ではなく、工程・副資材・数量のどれかを動かすことです。
03サンプル代の目安
サンプル代は量産単価の3〜10倍程度に収まることが多く、量産を発注した際に相殺する工場もあります。見積もり時に「量産時の扱い」を確認しておきます。
| 品目 | サンプル代の目安 |
|---|---|
| Tシャツ・カットソー | 3,000〜15,000円 |
| ニット・アウター | 15,000〜60,000円 |
| 雑貨・小物(縫製) | 5,000〜30,000円 |
| 樹脂・金属加工品 | 20,000〜150,000円 |
04初期費用がかかるもの
初期費用は「1回作れば次から使える資産」です。再発注が前提なら、初期費用が高い工場のほうが総額で安くなることもあります。
| 項目 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 版代(シルク・箔押し) | 3,000〜10,000円/色 | 色数ごとに発生 |
| パターン・グレーディング | 10,000〜50,000円/型 | サイズ展開数で増減 |
| 金型(樹脂・金属) | 数十万円〜 | 所有権の取り決めが必要 |
| データ作成費 | 数千円〜数万円 | ロゴのトレース、刺繍データなど |
金型の所有権は後で争いになりやすい項目です。OEM契約で確認することで扱っています。
05見落としやすい費用
- サンプルの往復送料(海外なら1回で数千円〜)
- 副資材の最小ロット(タグや箱だけ数百個単位になることがある)
- 仕様変更にともなう版・型の作り直し費用
- 海外発注の関税・通関手数料・国内配送費
- 為替差(外貨建て見積もりの場合)
06数量が増えると単価が下がる理由
初期費用と段取り費は数量に関係なく発生するため、数量で割った金額が単価に乗ります。小ロットの単価が高いのはこの割り算の結果です。数量帯ごとの下がり方はMOQとは?、少量で作る方法は小ロットOEMとは?で解説しています。
07予算は売価から逆算する
「いくらかかるか」より「いくらまで出せるか」を先に決めると相談が早く進みます。自社ECのみで販売する場合は原価率25〜35%、卸を通す場合は15〜25%が一つの目安です。目標単価を伝えれば、その範囲で作れる仕様を工場側が提案できます。
FAQよくある質問
OEMの初期費用はいくらくらいですか?
プリント中心のアパレルなら版代の数千円〜数万円で収まります。金型を作る樹脂・金属加工品では数十万円以上になることもあります。
サンプル代は返ってきますか?
工場によります。量産発注時に相殺する例があるため、見積もり段階で確認してください。
同じ仕様で見積もりの差が大きいのはなぜですか?
単価に含まれる範囲(検品・梱包・送料)と初期費用の扱いが違うためです。条件を揃えると差は縮みます。詳しくはOEMの見積もりで確認するべき項目。
予算が合わないときはどう相談すればいいですか?
数量を上げる、仕様を1段落とす、納期に幅を持たせるの3つが基本です。目標単価を伝えると代替案が出やすくなります。